ネガティブ・ケイパビリティー答えのない曖昧さと共にいる力

「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉をご存じですか?支援をしている中で感じるジレンマ、自分らしいキャリアを歩もうとするときのもやもや、、、

そんな中で、早急に解決を目指そうとせず、そんな状況にいることに留まる力のことです。これと決まった日本語訳はないそうで、「答えのない曖昧さと共にいる力」という副題をつけてみました。

この本の中にはこうあります。

私たちの脳は、色々なことを「分かろう」とするし「解決するように」教育されています。社会の中の色々なこともマニュアル化、効率化され、「分からないこと」「解決できないこと」へのストレスを感じやすくなっています。それでも、社会や人生の中には「解決できないこと」の方が多い。私たちはそんな状況と共にどう在ればよいのか、考えてみました。

今回のOpenDOORでは、参加者の方それぞれに普段もやもやしてること、気になっていること、失敗したことなどのテーマを持ち寄っていただき、それを「解決しようとしない」というルールを設けて対話の時間を作りました。

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「解決しないようにする」というのは、普段解決モードになっている私たちにとって、案外難しいことです。

一方、私たちが支援者として日々取り組んでいることでもあります。ネガティブ・ケイパビリティは、人に「共感」したり「寛容」であるために不可欠で、必要な能力です。何か目に見える結果にならなくとも、そこにある価値を私たちは知っているのではないでしょうか。

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【参加された方の感想】


・解決を目指さないという状態で話をするということが、現代を生きる日常に本当に少ないんだなと思いました。解決しないといけないテーマはたくさんありますが、それをゆるやかに持ち続けられる柔軟さのヒントが分かったような気がします。

・初めて会う人に話を聞いてもらったり、反応することでこんなに気持ちが楽になるものかと思いました。また、まとまっていない自分の思いを口に出してみることで気づくことや、相手が何かに気づいてくれることにも驚きました。

・若干バーンアウトしていた時期があります。その時のモヤモヤや、正体の見方や考え方がわかって来ました。白黒では決めるわけでも、正解があるわけではない支援。グレイがあっていい、腑に落ちる部分がありました。

・答えのない曖昧さの概念がわかり、意図的に意識し曖昧さにぶら下がれるようになれたら心持ちにも変化があるかもしれないと思いました。

解決できないこと、お金にならないこと、目に見える形にならないこと=価値のないことではない。

私たちは、普段何が分からなくなっているのか分かる。そんな大切な概念だなと思いました。

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*Open DOORとは?
Open DOORは双方向に、ソーシャルワーカーが自分の「生き方働き方暮らし方」について気づき、学んでいく場としてZOOMで開催している学びの場です。ただの「交流」でもなく、硬い「研修」でもなく、知らないことを知れたり、他の人の意見や体験談を聞くことで真似できたり、福祉専門職としての学びでは足りない、「自分らしいキャリア」を形成していくために役立つことを学べるような、楽しい場を作っています。次回開催は10月を予定です。イベントのお知らせをご希望の方はLINE配信(入退出自由)からどうぞ☞→https://lin.ee/HLG9C1F