ソーシャルワーカーの「キャリア」とは?
このサイトは、対人支援職、主にソーシャルワーカーの方向けに、専門職としてアイデンティティを持ちながら、支援者自身もひとりの生活者として自分らしい人生を送っていくための情報発信がしたいと思い立ち上げました。
今日は、そもそもなぜ「ソーシャルワーカーのキャリア」なのか、ということについて書いてみようと思います。
ソーシャルワーカーは、とても幅広い領域で活動しています。高齢、障害、児童、医療機関、行政機関、福祉施設、学校、企業など。
働いている職域やポジションは違えど、この仕事を選び、続けている理由として「人生がよりよい方向に進むように、クライエントの人生のサポートをしたい」という想いがある人が多いと感じます。
動機や表現する言葉は違っても、ソーシャルワーカーという仕事を通して社会を良くしたい、人の人生に貢献したい、という気持ちです。
自分の人生に伴走しよう
一方で、ソーシャルワーカーの仕事は地道で、感情労働で、給与も他業界や職種に比べて高いとはいえない…という現状もあったりします。
相談援助や、いち社会人としての自分を形成していくために欠かせない自己覚知や自己分析の過程は、自分の成長や発見に繋がるけれど、時に苦しさを伴いますよね。
ソーシャルワーク、という業務や概念がとても広いものを指していて、何をすれば正解なのか捉えにくく、また理想も高く、理想と現実のギャップに苦しむこともあります。
ソーシャルワーカーだけではなく医療福祉業界でのデータですが、40%以上の人がメンタルヘルスに不調を感じたことがあるという統計結果もあります。
ソーシャルワーカーはクライエントにとって取り巻く環境の一部です。
人の人生がよりよく、生きやすいものにするための活動をしているソーシャルワーカーですが、私たちが自分自身の生き方・働き方にも、もっとその目を向けて対処をしてみてもいいと思っています。
それが自分自身のよりよいwell-Beingについて考えること=ソーシャルワーカーのキャリア形成です。
等身大の自分のエンパワメントになる
「キャリア」という言葉の意味は広いです。
「ソーシャルワーク」と同じで、海外から入ってきた言葉で、複数の意味を含む概念です。
経歴、キャリアパス、キャリアアップといった仕事に関することだけではなく、自分自身がどう生きていきたいか、どう在りたいかなど人生全体を含むものです。
私たちも、自分の周りにあるいろいろなことに影響を受けながら生きています。
職場の環境、家族や友人、社会の流れ。
衣食住や金銭面。
趣味や興味のあること。
健康のこと。
働き方。
未来への不安。
自分が今生きている生活も、自分自身の「選択」や、おかれた「境遇・環境」から成り立っているんですね。そうすると、自分の環境や見通しについて知り、アセスメントをし、適切な介入が必要です。
それは社会構造を知ることや必要な情報を収集すること。働き方や学び方を知ること。自分自身についての理解を深めることです。
自分自身の理解、また自分を通して社会を理解することは、ソーシャルワーカーとしての自分の視野も、行動の選択肢も広げると思います。
一般的に「正解のような」キャリアではなく、等身大の自分にとって「いいな」と思える在り方・生き方を探索し・体現しようとすること。自分の価値観を大切にすることは、自分のエンパワメントをすることです。
自分の「こうありたいな」というソーシャルワーカーを目指せる。
自分が「こう生きたいな」と思える方向に生きることができる。
そんなソーシャルワーカーが増えることで、ひとりひとりの価値を尊重して、強みやらしさが発揮される社会がもっと広がるんじゃないかと思っています。
このサイトでは、そんなソーシャルワーカーのキャリアについてのあれこれを書いていきます。
専門職としてのキャリアアップに必要な知識や技術の習得についてのことではなくて、それ以外の養成課程では学べないことについて発信していく予定です。まだまだ小さな試みですが、困った時に見てみよう、と思ってもらえるようなサイトにしていければと思います。
・自分を大切にするセルフケア
・就職・転職に関すること
・職場での人間関係やマネジメント
・ライフイベントと働き方
・多様な働き方(副業・複業フリーランス)
・キャリア形成に必要なハイフハック(お金など)
・ソーシャルアクションに必要な学びについて
などなど…
私自身も自分のキャリア形成の試行錯誤をし続けるソーシャルワーカーです。同じ時代を生き、よりいい方向に社会を変えていきたいと思っているみなさんと作っていければ嬉しいです。
次は、自分らしいキャリアを考える②自分の価値観を知るです。