ソーシャルワーカーの就職・転職の話②「自分の準備」

前回は、ソーシャルワーカーの就職・転職の方法についてお話しました。今回は、ソーシャルワーカーが就職・転職にあたってできる「自分の準備」のお話です。

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転職の準備は、

・転職を決めるまで
・転職を決めてから

の大きく2つです。(転職を考えているうちに流れで決まった、ということもあるのでハッキリ2つに分かれるわけではありませんが!)

新卒での就職の場合は、進学や多職種との比較などで迷うこともあると思いますが、基本は「行動に変化を起こし、働く場を探す」の一択です。働く場というのは多くは就職を指しますが、一部起業の方などもいらっしゃるかもしれません。

転職の場合は、「今の職場で働き続ける」or「心機一転転職する」と2つの選択肢の間で悩むことがスタートになる場合が多いのではないでしょうか。

転職のプロセス

転職を決めるまでには「 特に考えていない~だんだん気になってくる~転職しようと意思決定する 」というプロセスがあります。

特に転職理由がないのに「転職!」とはならないんですよね。何らかのきっかけ、理由があって人は転職を考えます。福祉業界は離職率が高いと言いますが、最初から辞めるつもりで働きはじめる人はいないんですよね…かなしい。(長期的な見通しとしてずっとここにいないだろうな、というのはあると思います。)

・特に転職を考えていない段階

実は、この「特に転職を考えていない段階」でどれだけ自分のキャリアについて考えているか、が、いざという時の「転職」を大きく左右するように思います。ここでのキャリアを考えるとは、「自分の価値観や軸」「進みたい方向」「在りたい姿」「自分の現在地」などに、常にではなくても意識を向けてみる機会があるかどうか、ということです。

なんとなくでも、そういった自分の現状に目を向け、未来への「こうなったらいいなぁ…」というイメージがあると、いざという時にどう行動を起こせばよいかの拠り所になります。

友人との会話で、本を読みながら、自分にノートで言語化して…そう肩肘張らなくても日常で意識を向けられる機会は実は簡単に作ることができます。

また、転職には人との繋がりが有効だということからも、この段階から特に転職を意識していなくても、ゆるくでも多様な人との繋がりを持つことがのちのちの自分の助けになります。

友人の友人と繋がる、コミュニティに所属する、ボランティアをやってみる。福祉関係以外のこと、ひとに触れるのも視野が広がるのでおすすめです。

・転職が気になってきた段階~転職を意思決定する段階

転職することが気になってきた…と心がもやもやざわざわしてきたら、色々な方法で情報収集してみましょう!転職を実行できるための材料集めです。

材料は
・自分の棚卸(自己分析)
・就職先の情報 
の2つです。

自己分析については↑に書いた通りです。もし日常的にはやっていないよーという方は、この段階からぜひぜひ取り組みましょう。履歴書や職務経歴書も実際に書いてみて、人に見てもらってコメントをもらうなどの方法で点検しながら準備ができます。

就職先の情報に関しては、前回の記事でもご紹介したように、さまざまな求人を手掛かりに、どのような可能性があるのか調べることができます。

この時、単に情報を得るだけではなく、情報に触れることで自分の考えと照合して、「こんな言葉に心惹かれるな」「あぁ、こういうやつかも、自分がやりたいことは」と軸を探す手掛かりにもしていけます。

転職を決める際に手掛かりとなるのは自分の「やりたいこと」だけではありません。給与、勤務地、労働条件、福利厚生、副業の可否など、そこで働くことになったら生活に影響することを勘案していく必要があります。

特に自分が譲れない条件があったり(年収400万以上とか通勤30分以内とか)、家族がいたりする(子どものお迎えの時間など)と、やりたい仕事内容が見つかったとしてもそれだけで決断するのは難しいかもしれません。

その時の生活状況、または叶えたい生活スタイルも明確にしておけると、自分にとって大切なことを蔑ろにせず、希望は100%叶わなくても、条件の中から自分で意思決定していくことができます。

この意思決定にどれくらい時間がかかるか、が転職を迷う~実際に転職するまでにかかる時間かもしれません。

時には「この場から離れる」を最優先に先に離職し、転職活動をすることもあるでしょう。それは「ここにはいない。」ということが自分にとって大切なポイントになっているからです。

転職先の選び方

就職と結婚は同じだとよく例えられます。

そう考えると、
・持っている価値観
・進みたい方向
・それが叶えられる条件

があるかどうかを考えることが、相性がいい転職先を見つけるヒントです🔦

求人票などを見ながら…

自分の価値観 ⇔ 就職先の価値観
自分の進みたい方向 ⇔ 就職先が進もうとしている方向
自分の条件 ⇔ 就職先の条件

これが合っているのかどうかを検討します。


実際の採用面接では、その就職先の担当者の方と実際に会えたり、就職先の雰囲気を感じることができるので、求人票だけみているときよりもたくさんの情報を得ることができます。

困るのは、「いいんだけど、少しの違和感が…」と感じる時でしょうか。これは上記3つの条件のどれかにズレがある時だと思います。このズレが自分にとって些細なことなのか、大きな事なのか…判断が難しいですね。

恋愛に例えると、この違和感が大きくなるとお別れになるでしょうし、違和感を対話で乗り越えることもできるかもしれません。そんな難しさがあるよいに思います。

また「こんな就職先は避けた方がいい…」という判断の仕方もあります。事業所の整理整頓がされていない、そこにいる人に笑顔がない、コミュニケーションがとりづらいなど…感じられる場は精神衛生的につらいかもしれません。

受かろうとして、面接で本来の自分を出さずに相手に合わせるようなことを言ってしまったりすることも本末転倒になります。採用は求職者ー採用側が対等な立場でお互いが合うかどうか判断できる場です。

「私はこんなことを大切にしていて、これがやりたいです。あなたのことも教えてください。」そんなコミュニケーションができるといいですね^^

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よくいただくご質問。


*自己分析について
就職活動における自己分析とは、「自分の価値観、自分の進みたい方向、自分の条件を明確にして、言葉で人に伝えられる状態にすること」だと考えます。必要な方はこんなワーク研修なども。さらに急ぐ方はキャリアコンサルティングなど人に頼って相談するのも良いと思います!

自己分析や就職活動は、慣れない人も多いです。でも、正しいやり方で取り組めると自分をより理解し、可能性を広げる機会にもなります。色々な人に頼って未来をつくっていけるといいですね^^