ソーシャルワーカーの就職・転職の話①

ソーシャルワーカーの「キャリア」といえば、もしかしたら一番イメージされうる?「転職・就職」というテーマで、4回に渡って書いていこうと思います。

できるだけ中立的に書きたいと思いますが、私自身のソーシャルワーカーとしての転職、支援での就労支援、福祉系企業での人事の経験を元に反映される内容にもなると思います✎

考え方や実際の就職活動の仕方はきっと人それぞれで、「これが正解」と言いにくい部分もありますので、自分に合うな、と思ったところを取り入れてみてください^^

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ソーシャルワーカーの転職・就職とは?

今、「ソーシャルワーカー 転職」と検索してみたところ、多くは求人媒体など転職サイトの記事や情報に繋がります。

皆さん、どんな方法で就職・転職しているのでしょうか??

個人的な経験ですが、私のソーシャルワーカーとしての就職、転職は1度目は専門学校で行った実習先への就職、2度目はソーシャルワーカー仲間からの紹介でした。ただ、結果として人づてで就職先が決まったものの、自分でもネット検索などで調べていました。

その時、困ったのが「調べ方が分からない」ことでした!ソーシャルワーカーが働く職域の事業所は、それぞれに採用のかけかたが違い、求人そのものを見つけ出すことが困難なのです。

私は精神保健福祉士ですが、ネットで検索するにしても、「精神保健福祉士」と入力するのか「ソーシャルワーカー」と入力するのか…。働きたい分野も決まっていなかった最初の就職では、結果として就労継続支援B型に就職しましたが、「地域で働きたい」としか決めていなかったので、なおさらどう検索すればいいのか分かりません。今現在、さまざまな求人サイトを見てみても、ピンポイントに分野や職種が指定できることは少ないです。

福祉系企業の人事で専門職採用も経験し、思うことは結論、「ソーシャルワーカーの就職・転職方法はたくさんある!」です。逆に言うと、1つに決まっていない、ということです。民間の転職活動は圧倒的に求人媒体の利用が多い印象がありますが、ソーシャルワーカーの転職、と絞ると現実そうではない、というのが私の所感です。それを踏まえつつ、どんな就職・転職方法があるのか紹介していきます。

ソーシャルワーカーの就職・転職の方法

と思うものの、他のソーシャルワーカーのみなさんの経験も聴いてみたいなと思い、Twitterのアンケート機能で、過去に就職/転職経験のあるソーシャルワーカーで実際に入職の決まった時の方法について教えていただきました!

Q.ソーシャルワーカーの就職と転職についてのブログを書いている途中なのですが、就職/転職経験のある方の、実際に利用した方法についても書けたらいいなと思いました!実際に入職の決まったところの方法について、経験を教えていただければ嬉しいです!

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上記は、24時間のアンケートで112名の方にお答えいただいた結果です。一番多いのは、「人づての紹介、実習先など」、2番目が「ハローワーク」という結果でした。アンケート機能の性質上、4つの選択肢のみの提示でしたが、実際にはもっと色々な転職方法があるのだと思います。

ここでは、初めて就職・転職するんだけど!という方に向けてそれぞれの選択肢について説明していきますね。

①人や学校からの紹介(リファラル)
②職能団体などの求人情報
③「ハローワーク」や「福祉のお仕事」
④求人媒体/人材紹介
⑤各施設・病院等のホームページ

①人や学校からの紹介(リファラル)

友人や先輩、学校の先生からの紹介、実習先への就職などがこれにあたります。多くは、自分よりも経験があり繋がりを持っている人が情報を持っていて教えてくれたり、自分のことをよく知ってくれていている人が合いそうなところを提案してくれる場合です。

就職は就職先との「相性」がとても大切なので、「ここはどう?」と根拠を持って提案してくれるところは、合う確率が高いのではないかな、と思います。一方、採用をかけている事業所側が人が集まらなくて困っている場合もあるので、紹介されたときは「どんなところ?」「なぜ自分に合うと思ったの?」など、紹介してくれた人に確認してみるのも大切です。

紹介してもらえたら即採用、というわけではなくきちんと面接がある場合が大半だと思うので、その後の人との関係もありますし、丁寧に進めてみてください^^学生さんの場合は、学校のキャリア相談室なども活用して損ではないと思います。

②職能団体などの求人情報

地元で就職を探している、分野を決めて就職活動している場合など、自分が所属している職能団体や研究会などあれば、そこに集まってくる求人情報を見てみる方法もあります。多くは協会のホームページに求人情報が掲載されています。メールマガジンなどで配信されている場合もあります。

情報は多くはないかもしれませんが、今就職活動をしていなくても、普段どんな求人があり、給与がどれくらい、どんな人が求められているかなどを定期的に確認する手段として使えるのではないでしょうか。

③「ハローワーク」や「福祉のお仕事」

「ハローワーク」は、特に地方、地元に根差した求人を確認する場合に最初に思いつく手段だと思います。事業所としても無料で使えるため登録しているところも多いです。求人の情報は、シンプルに条件しか載っていないので、詳しく知りたい場合は自分で事業所名を検索したり、ハローワークの窓口で問い合わせる必要があります。

福祉のお仕事」は、社会福祉協議会(全社協)が、福祉人材の確保・育成・定着のために幅広い求人を掲載しているサイトです。事業所が無料で求人を掲載することもでき、幅広い分、情報が多く自分にとって良い情報を探すのが少し大変かもしれません。

④求人媒体/人材紹介

ネット検索で求人を見つけるときに便利な方法です。リクナビ、マイナビ、ジョブメドレーなど、た~くさんの媒体があります。福祉分野特化型のものも増えています。

求人媒体はネットに載っている求人情報に直接応募していく方法です。人材紹介は、就職活動の間に人材紹介のスタッフを介して応募し、事業所とのやりとりまで行ってもらう方法です。

どちらも採用をかけている事業所がお金を払い、求職者は無料で利用できます。特に人材紹介は事業所が支払う料金が高額になるため、特定の資格保持者や経験者の採用で利用されることが多いです。採用が有料になる分、特定のスキルや経験が求められる場合が多いので、そういった求人に出会いたいという人は利用してみるのも1つだと思います。

異業種から転職の場合もどんな求人があるのか探しやすい手段なのではないでしょうか。求人媒体で求人をある程度見慣れてから、他の媒体でも探すと慣れてくると思います。

⑤各施設・病院等のホームページ

個人的に、結構有効なのでは?と思っているのが各事業所のホームページです。最近は個々の事業所がきちんとホームページを持っていたり、SNSを活用している事業所も増えています。

特に就職活動の場合は、家から●分など、ある程度の条件の中で就職先を選ばなければいけないことも多いと思います。就職先の職域の候補が決まっているのであれば、「精神科病院」「就労移行支援」など特定のキーワードで通勤可能な範囲にある事業所をピックアップしていって、ホームページを確認したり、直接問い合わせてみるのも手です。

元から知っていていいな、と思っている事業所などがあればなおさら有効な方法です。

色んな手段の使い方と、正直なお話

どの入職方法も、転職に必要な全てのことを網羅し、カバーしてはいません。よく分からない、という状況であれば、いくつかの方法をまず試してみて、自分の中でピンとくる方法を選んでいくのがおすすめです。

逆に何をしたいかを絞れている場合は、①や⑤の方法だけで決めることができるパターンもあるでしょう。

求人媒体や人材紹介を利用する場合は、それぞれ合う合わないが出てきます。採用側が有料で利用する求人媒体や人材紹介などは一定社会人経験者~実力を求められる層=いわゆる即戦力になれる人が使いやすい手段です。特に、人材紹介のサポートはその会社が持っている求人のみ紹介されるという制約があります。一方、書類作成や面談のためのサポートを受けることもできるメリットもあります。

紹介サービスを利用した人からよく聞かれる声としては、福祉の制度や業務はとても専門的で複雑なので、求人サービスを提供している提供側がどれだけ私たちソーシャルワーカーの個々の事情や福祉の専門性、就職先のことを把握してくれるか、熟知しているかは会社や人によって差が大きいということです。求人サイトによって、検索するための施設区分や職種の選択肢がない、などもあるあるです。利用できるサービスは利用しつつも、「自分にとってはどうかな?」というアンテナも持ってみてくださいね。

地方ではハローワークでの転職活動もまだまだ多いのだなと感じます。誰でも無料で使えますし、応募する人も未経験~ベテランまで幅広い印象です。

色々なサービスも増えていますが、福祉業界では「人づての紹介、実習先など」での就職も実際にとても多いんだな、とアンケート結果からも感じました。業務の連携などで人との繋がりが増えるとおのずと自分を知ってくれる人が増え、頼れる先が増えると転職にも生きるのでしょうか。もし、頼れそうな人がいたらダメ元でも聞いてみるといいかもしれません^^

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代表的な選択肢と思われる5つの方法について書いてきました。ただ、ここに書ききれていない、公務員やスクールソーシャルワーカーだと行政のホームページに掲載されていたり、地元の小さな事業所だと折り込みチラシに掲載されていたり、まだまだ多様な選択肢があります。

ご自身の興味関心に沿って、ここにあるかな~??と予測しながら情報を探していくと、分野によって情報が集まる場所などが見えてくると思います。ぴったりの職場が見つかりますように!